執筆に参加していた、技術評論社さんの「モバイルアプリ開発エキスパート養成読本」が、明日4月11日(火)に発売されます。ようやく発売にこぎつけたので告知がてら書いておきます。

なお、本記事はhuinの個人的な思想に基づくものです。

モバイルアプリ開発は難しい

2012年に社会に出てから丸5年の中でiOSを4年とAndroidを1年弱やってきたけど、モバイルアプリ界隈はとにかく動きが激しいと感じてます。いやテクノロジー界隈で動きの遅い分野なんてないのかもしれないけれど、モバイルアプリ分野も例外じゃない。

それでも少し前は毎年メジャーアップデートされるiOSとAndroidのAPIをキチンとキャッチアップできてればなんとかなっていたと思います。だけどいまは、Swift/Kotlinのような言語自体の変化、リアクティブプログラミングのような新しいプログラミングパラダイム、MV*のようなアプリの設計論、Firebaseを始めとした開発者向けのツールなど、アプリを作るにあたって知るべきものものは膨大になっていると感じます。もちろん知らなくてもアプリを作ることは出来るけれど、これらは世界中のエンジニアが経験して得た知見なわけです。より良いアプリを作りたいと思うなら、これを無視するのは賢い選択だとは言えないでしょう。

iPhoneの登場から10年、現在のモバイルアプリ開発の状況が成熟によるものなのか、あるいは未だ混沌とした過渡期にあるからなのかはわからないけれど、アプリ開発を本格的に勉強したいと思っている人やアプリエンジニアと一緒に仕事をしている人たちにとって、この状況はモバイルアプリ開発が難しく見える要因になっているのは間違いないと思います。

というわけで前置きが長くなりましたが、現在のモバイルアプリ開発の動向をできるだけ簡単に理解する、そのための開始点として「モバイルアプリ開発エキスパート養成読本」を書きました。

どんな方に読んでほしいか

今回は、プログラミング自体の初心者やアプリ開発未経験の方はあまり対象としてはいません。一番の対象は、趣味や業務で何かしらアプリを開発したことがある方で、どういう風に作るのが正解なの?といった疑問を持たれている方です。最新のiOS/Androidにどのような機能/APIがあるのか、どういった設計にすると堅牢で拡張性の高いアプリになるのか、作った後もどう改善していくのが良いのか、単純な実装の話に限らず広い意味で「良いモバイルアプリを作る」ためのヒントを、この本から得てもらえるのではないかと思っています。

また個人的には、現場で十分に活躍しているアプリエンジニアで、iOS/Androidどちらかしかやったことのない方にも読んでもらえると嬉しいです。いまはiOS/Androidの両プラットフォーム上でサービスを展開することは珍しくありません。ウチの「フリル」のように、両プラットフォームで開発環境や運用面を考慮しつつ改善を行おうと思うと、やはりどちらかだけではなく両方を知っている方が便利な場面が多いと思います。iOS/Androidどちらかしかやったことなくて実は両方知りたいと思っている、そんな方にも読んでいただければと思います。

思い出

昨年の夏くらいに@heki1224さんからお話をもらったのが最初です。企画の切り口としてAndroid/iOS両方についての本にしたいけど、iOS界隈は誰にお願いしていいかわからなくて...というで声をかけていただきました(※個人の記憶です)。当時はAndroidもやっていたので、その流れでお話をいただけたのは非常に光栄に思っています。

合わせて声をかけてくれた@shihochandesu@magie_poohや、iOS側の執筆者として声をかけさせてもらった@TachibanaKaoruさんや@dealforest氏、第1章の執筆を大きく助けてもらった同僚の@hydrakecatさんと、エンジニアのつながりのおかげで実現した本だと思っています。ありがとうございました。

さいごに

2017年4月の今でいうと、すでにAndroid O Developer Previewが公開され、Swiftは4.0に向かっているところです。残念ながらこの本も半年後には最新情報ではなくなっていると思いますが、それでもiOSとAndroid両方の話が1冊にまとまっている本として、そしてそれが2,000円程度で手に入ると考えるとお手頃なのかなと思っています。

というわけで、ぜひモバイルアプリ開発エキスパート養成読本を手にとっていただければと思います。