今年もやって来ましたApple WWDC 2014。
昨年は幸運にもチケットが手に入ったので現地で生で観れたのだけど、
今年はハズれてしまったので大人しく家から中継みてました。
今回は、過去最大レベルで開発者向けのアナウンスが多かったように感じます。
正直、ぜんぜん把握しきれてませんが、ひとまず発表内容をまとめてみます。
※写真はThe Vergeへのリンクになっています。
WWDCについてのアナウンス
- 25回目の開催
- 69カ国からの参加、70%は初参加.
- 世界には900万人の開発者が登録.過去1年で47%増加した.
OS Xについて
- 8000万台のMacが出荷された.
- Mavericksは4000万コピーがインストールされている.
- 全OS Xユーザーの51%が利用しており、これは過去のPCユーザーの普及速度としては最速.
- Windows 8はたったの14%
新しいOS X は「OS X Yosemite」
新しいインターフェイス
- Aqua以来のUIデザインを刷新
- フラットなデザイン, ブラー効果など.
- ダークモードを搭載.
- タイポグラフィ処理も刷新.
Apps
- 通知センター
- ダーク, トランスルーセント, Bブラーデザイン.
- 通知センターを広く表示させてウィジェットを配置することも可能.
- Spotlight
- Alfredランチャーのように画面中央に表示.
- iCloud Drive
- FinderのサイドバーからiCloudにアクセス.
- アプリごとに整理しつつ好きなファイルを置くことができる.
- データの状況は、Mac, iOS, Windows間で同期される.
- Mail
- MailDrop : 添付ファイルのサイズが大きい場合に、iCloudに保存し、リンクを生成してくれる.
- Markup : 画像に書き込みが行えるように.
- Safari
- Shareボタンから各種共有機能を呼び出し.
- タブ機能を強化.
- プライベートブラウシングモードを搭載.
Continuity
Mac, iOS間の連続的な体験を実現
- AirDrop : Mac⇔iOS間の通信をサポート
- HandOff : iWorkやMailなど編集のデータをそのままMacに転送可能
- Instant Hotspot : iOS端末のテザリングを簡単に
- Text Messages: SMSの返信などもMacで受信可能に.
- Phone Call : Macのスピーカー/マイクを使ってiPhone経由で通話可能.
リリースについて
- 本日より開発者向けベータ配布開始
- 夏には全ユーザーにベータプログラムを解放
- 秋のリリースでは無料で配布
iOSについて
- これまでに1億台のiPod touch, 2億台のiPad, 5億台のiPhoneが販売された.
- 昨年だけで1.3億人の新規ユーザが生まれた.
- 現在iOSユーザーの89%が最新のiOS 7を利用している.
- Androidの最新OS Kitkatの採用率は9% :(
iOS 8
- Interactive Notification
- メッセージの通知から直接返信
- Facebookのタグ付けを許可/拒否したりなど
- Mail
- スワイプジェスチャーによる操作を拡張.
- メールの編集をスワイプによって一時的に中断できる.
- Spotlight
- AppStore, iTunes, Wikipediaなどの検索結果を追加.
- QuickType
- 予測入力機能.日本語も対応.
- Continuity
- AirDrop, Handoff, Hotspot, PhoneCall
- iMessage
- メッセージのスレッドごとに通知のON/OFFを設定可能.
- 期間を決めて、位置情報をメッセージの相手と共有可能に.
- Tap to Talk : 音声/写真/動画の開始をジェスチャーで行える.
- Health
- Health.app/HealthKit の提供
- サードパーティアプリで取得した数値をHealthで一元管理.
- 医療機関に数値データの提供をおこなえる(おそらくUSのみ)
- Family Sharing
- 写真, 予定以外にも、音楽/映画/本なども共有可能
- 共有人数は6人まで。
- 子供がアプリをダウンロードするときに、親に許可確認がでるように設定可能.
- Photos
- すべてのデバイスの写真を端末から閲覧可能に.
- アルバムの検索機能を搭載
- 編集のUIを改良
- 編集結果はすべての端末で即時同期される.
- OS X Yosemiteに"Photos.app"が追加される.
- 5GBまでは無料
- それ以降は20GB/$0.99/Month, 200GB/$3.99/Month
- 最大で1TBまで増やすことが可能.
- Siri
- Shazam 楽曲認識
- iTunes コンテンツの購入
- 22の言語に新たに対応
- AppStoreの改善
- カテゴリ別のエクスプローラ機能
- 検索トレンドの表示
- スクロールによる結果の遷移
- 関連キーワードの表示
- App Bundles機能(複数アプリの一括販売)
- App Preview(動画)機能
- TestFligt機能の統合(ベータ版の配布機能)
iOS SDKについて
OS X, iOSの発表以外にも開発者向けフレームワーク/ツールの発表が大量にありました.
Extensibility
- アプリ間連携の新たなAPIを追加
- ActivityViewControllerから他アプリを呼び出すことが可能に.
- SpotlightにWidgetsを置くことも可能に.
- サードパーティキーボードを追加. 完全にカスタマイズされたキーボードをアプリで利用できるように.
Extensibilityのデモでは、カメラロールからWaterlogueを呼び出して水彩効果を与える処理をしていました。
- Touch ID
- サードパーティアプリからの利用も可能に
- Keychainアイテムのアンロックをサポート.
新規フレームワーク
- PhotoKit
- PhotoKitを用意
- 高性能な編集
- 非破壊編集
- 写真の削除もサポート
- HomeKit
- 施錠、照明、室温計などの家電サービスと統合するフレームワーク
- Siriとも連携可能
- Cloud Kit
- いわゆるmBaaS機能を提供
- 基本利用無料、アセットや転送量に応じて課金.
- Metal
- OpenGLを置き換えるフレームワーク
- OpenGLよりもより少ないオーバーヘッドで処理可能.
- A7チップ向けに設計されている.
- SpriteKitの強化
- 光源、ピクセルレベルの物理演算、インバースキネマティクスをサポート
- SceneKit
- 3Dゲーム向けフレームワークを新規に追加
新開発言語Swiftを発表
- Cocoa/Cocoa Touchを直接利用可能.
- LLVMによるコンパイル
- ARC対応
iOS 8 のリリースについて
- リリースは2014年秋
- SDKは本日からベータ配布
- 対応端末
- iPhone 4S
- iPhone 5
- iPhone 5c
- iPhone 5s
- iPod touch 5th generation
- iPad 2
- iPad with Retina display
- iPad Air
- iPad mini
- iPad mini with Retina display
まとめ
ここ数年何かしらの新製品が発表されていましたが、今回はハードウェアに関してはなんのアナウンスもありませんした。
が、その分開発者向けの情報はこれまでにもなく膨大でした。昨年iOS 7のデザイン変更で大騒ぎになりましたが、多くのフレームワークや、なんと新しい開発言語の発表など昨年以上に大きな変更となりました。
情報が多すぎて困惑のほうが大きいですが、なんとかキャッチアップして勉強していきたいところです。