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今年もやってきましたApplの開発者イベントWWDC.
会場が昨年と違う場所だったり、事前にWWDCの内容がメディア向けに発表されていたりと色々と違う部分もありましたが、
基調講演の内容は例年通り各種OSに関する発表でした.

今回もその内容をまとめてみたいと思います.(以降の画像はすべてThe Vergeへのリンクになっています.)

オープニング

  • オーランドの銃乱射事件に対する黙祷から開始
  • WWDC 2016について
    • 27回目の開催
    • 1300万人が登録し5000人以上が参加(倍率2600倍!?)
    • 74の国から開発者が参加し、そのうち72%は始めての参加となっている.
  • AppStoreについて
    • 8年前たった500個のアプリでスタートしたAppStoreだが、現在200万を超えている.
    • 総ダウンロード数は130,000,000,000回 (1300億回)を突破
    • 開発者には500億円以上の売上を支払っている.

watchOS/Apple Watchについて

watchOS 3の発表

新機能

  • お気に入りアプリのメモリ保持
  • データのバックグラウンド更新
  • インスタントローンチ
  • ドック機能(アプリスイッチャー)
  • コントロールセンター
  • リプライオプション(返信の定型文)
  • 手書き文字入力(アルファベット, 中文)
  • 新しいWatchfaces : ミニー, アクティビティの文字盤を追加
  • アクティビティの新機能
    • 友達とのシェアリング機能を追加
    • 車いす利用者のアクティビティトラッキングに対応
  • 新アプリ : Breathe
    • 呼吸を整えて長期的な健康維持を促進する.

新API

  • Apple Pay
  • バックグラウンドでのワークアウト/心拍計測
  • SpriteKit/SceneKit
  • デジタルクラウン/タッチイベント
  • インラインビデオ
  • ゲームセンター
  • CloudKit

開発者プレビュー版は本日から配信/正式版は今秋

tvOS/AppleTVについて

  • ビデオ番組数は1300を突破, アプリ数は6000以上
  • iPhone用のRemote Appを刷新
  • Siri : テレビ番組や映画と同時にYouTubeも検索
  • シングルサインオン機能 : tvOS上の認証コードをMac(Web)入力することでtvOSでのログインを実現.
    • サードパーティにも対応する??
  • ダークモード : 背景を既存の白から黒い背景ベースに変更可能.
  • 新API
    • ReplayKit : ゲーム用画面録画&シェアAPI
    • PhotosKit : iCloud Photosへのアクセス
    • HomeKit

開発者プレビュー版は本日から配信/正式版は今秋

OS X/Macについて

OS XからmacOSに変更

  • 新しいOSの名前は macOS Sierra (シェラネバダ山脈)

新機能

  • Auto Unlock : Apple Watchをもっておくことでパスワードの入力なしに自動でロックを解除
  • Universal Clipboard : クリップボードをiOSと共有
  • iCloud Drive :
    • 古いドキュメントを自動でiCloud上にバックアップしてディスク容量を確保.
    • Webのキャッシュファイルなど不要なデータを自動で削除して容量を確保.
  • Apple Pay on the Web
    • WebサイトでのApple Pay APIを提供.
    • 認証はiPhoneのTouch IDで実行
  • Tabs : 開発者が対応しなくてもすべてのアプリでタブUIが利用可能に.
  • Picture in Picture : ウェブブラウザで表示していた動画をPiPで表示.
  • Siri : 音声コマンドでファイル検索, 音楽の再生, メッセージ送信などを行える.

開発者プレビュー版は本日、パブリックプレビューは7月中から配信, 正式版は今秋

iOS/iPhone

iOS 10の発表

1. Experience

  • リデザインされたLock screen
    • 端末を立てるだけで画面が起動
    • ロック画面の通知から3D Touchで内容を表示
    • ロック画面を横にスワイプしてカメラを起動
    • コントロールセンターにMusic.app用のパネルを用意
    • Spotlightにもアクセス可能
  • リッチなノーティフィケーション
    • 動画の再生なども可能に.
  • 3D Touchの拡張
    • クイックアクション以外の情報(コンタクトリスト, アクティビティの進捗)を表示可能に.

2. Siri の API開放

  • アプリ名の認識からコマンドの実行まで対応.
  • Messaging, Workout, Payment, Photo search, Car deliveryなどの各種アプリで対応.
  • CarPlayでも利用可能

3. QuickType : より多くの情報が素早く入力可能に

  • インテリジェントサジェスト
  • 現在地の送信
  • 連絡先情報
  • 予定の追加
  • 空き時間の確認

4. Photos

  • これまでの位置情報に加えて, 顔認識, 撮影対象の認識も実行.
  • Memories : 旅行などのアクティビティ, 写っている人の関係、撮影時期などを条件に検索できる.
  • 自動生成されたアルバムのハイライト動画を自動で作成.

5. Maps

  • UIをリニューアル
  • 画面下から場所の候補を表示
  • ナビゲーション機能
    • 交通状況に合わせたナビゲーション
    • マップのパースペクティブをダイナミックに移動しみやすい状態を維持
    • 車体のメーター部分にナビゲーション情報を表示できる(CarPlay対応者)
  • マップ向けエクステンションを作成可能に.
    • OpenTableの予約やUberの配車サービスなどをMaps向けに提供できる.

6. Music

  • UIをリニューアル
  • Library, For You, Browse, Radio, Searchの5タブ構成
  • iPhoneだけでなくMac, Apple TVでも同じ構成に変更になる.

7. Apple News

  • MAUは6000万人
  • UIを刷新.
  • 号外ニュースの通知機能.

8. HomeKit

  • iOSのスタンドアローンアプリとして独立
  • 既存の9カテゴリに加えて新たに5カテゴリのオートメーション操作を追加
  • コントロールセンターからアクセス可能.
  • Siriからも操作可能

9. Phone

  • ボイスメールの文字おこしに対応
  • VoIP API経由の着信が既存の着信と同じ画面に

10. Messages

  • リッチリンク (リンク先の写真や動画をメッセージ内で表示)
  • カメラ&写真のピックアップUIを変更.
  • 絵文字だけのメッセージは絵文字を拡大表示
  • 絵文字のメッセージサジェスト
  • テキスト→絵文字のタップ変換をサポート
    • テキストを入力したあとにキーボードを絵文字に変更するとサジェストされる.
  • バブルエフェクト : メッセージバブルの表示アニメーションを追加できる
  • Tapback : メッセージへのイイネなどリアクション機能をサポート
  • 手書きメッセージ送信
  • フルスクリーンエフェクト
  • エクステンション対応
    • iMessagesないで表示するコンテンツをサードパーティが提供できる.
    • 画像やペイメント(送金)など.

その他の機能

  • Notes Collaboration
  • メールの会話表示
  • Live Photos Editing
  • Split View in Safari on iPad

デベロッパープレビューは本日から、パブリックプレビューは7月、リリースは今秋

Swiftについて

  • Swift Playgrounds for iPad
    • キッズ向けのプログラミング勉強アプリ
    • 今秋リリース予定

まとめ

watchOS, tvOS, macOS, iOSと4つのプラットフォームを提供しているAppleですが、
プレゼンテーションの時間配分としてはやはりiOSが最も長かったように思います.
事前の噂にもあったとおりSiriはAPIが開放されるようになりましたが、Facebook MessengerのようにiMessageもAPIを開放していたり、通知画面にもインタラクションが色々と追加できるようになっていて、エンドユーザー向けにも開発者向けにも色々と影響がありそうな内容になっていました.

機能面以外だとUIデザインについてもデモ画面を見ている限りこれまでとかなり雰囲気が変わっているのでiOS Human Interface Guidelinesのキャッチアップも必要そうです。

基調講演の終了と同時にApple Developer Centerの内容も更新されドキュメントはじめサンプルコードも配布開始しているのでなるべく早くキャッチアップしていきたいなと思います.

以上WWDC 2016基調講演まとめでした!!